この記事では、ニュージーランドで日本語教師になるために必要な情報を解説します。
ニュージーランドは南半球にある自然豊かな国。
また、英語圏の留学先としても人気の国です。
そんなニュージーランドで日本語教師になるにはどうすればよいのでしょうか?
この記事ではこんな疑問にお答えします。
- ニュージーランドの日本語教育の需要はどのくらい?
- ニュージーランドで日本語教師になるにはどうすればいい?
- 求人情報の探し方は?
- ニュージーランドってどんな国?
ニュージーランドの日本語教育事情、必要な資格要件、求人探しの方法、ニュージーランドの基本情報まで、ニュージーランドで日本語教師として働くために知っておくべきことを詳しく解説します。
興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
- ニュージーランドで日本語教師として働きたい方
- これから日本語教師としてニュージーランドに赴任することが決まっている方
- 海外で働いてみたいと思っている方
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ニュージーランドの日本語教育事情
ニュージーランドにおける日本語教育は、1965年にマッセイ大学に日本語の学位課程が設けられたのが始まりです。
その後、中等教育機関でも日本語教育が開始され、1980年代後半から1996年頃にかけては、日本語学習者数が急増しました。
しかし、その後は減少傾向にあるのが現状です。
最新の調査(2021年度)の教育段階ごとの学習者数・教師数内訳は以下のとおりです。
ニュージーランドの日本語学習者層は、初等・中等教育機関が約9割を占めています。
同じオセアニア地域のオーストラリアと同様の傾向です。
初等教育段階では選択科目の外国語の1つとして位置づけられていますが、異文化理解の要素が強く、本格的な学習ではないのが実情のようです。
中等教育段階でも選択科目である学校が多いですが、日本語はフランス語に次ぐ2番目の人気。
ただし、あくまで学校のカリキュラムの一環として学ぶ意識のため、積極的な学習動機を持つ学生は多くはありません。
このため、日本への進学や就職を目的として学ぶ学習者は少なく、大学以降の課程では学習者が激減してしまっています。
次に、ニュージーランドにおける日本語教師の需要を解説します。
ニュージーランドでの日本語教師の需要
特殊な日本語教師事情を持つニュージーランドで日本語教師の需要はどの程度あるのでしょうか?
特にネイティブの日本人教師の活躍の場はどこにあるのでしょうか?
近年の動向を分析しながら、需要を考察していきます。
ニュージーランドの日本語学習者数
ニュージーランドの日本語学習者数は28,072人(国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査」)。
ニュージーランドでも日本のアニメ・マンガなどの人気は高く、日本語学習の動機付けになっています。
一方で、近年は中国との経済的なつながりが増してきており、これに伴って中国語の人気が高まっています。
2014年に政府によって、初等・中等教育段階で日本語、中国語、韓国語の学習を奨励する「アジア言語学習プログラム」が開始され、一時的に学習者は増加しましたが、継続的な増加にはつながっていません。
日本からの留学生も以前ほど多くないことなど、ニュージーランドの人々の国際情勢への意識の変化もあり、日本語学習者数が減少に傾いていくことが懸念されます。
では、次に日本語教師の状況について見ていきます。
ニュージーランドの日本語教師数と日本人教師の割合
国際交流基金の調査によると、ニュージーランドで働く日本語教師は432人(「2021年度 海外日本語教育機関調査」)。
そのうち、ネイティブの日本人教師の割合は2割ほどの84人です。
学習者数のわりに日本人教師が少ないです。
現地人教師と日本人教師の教育現場の内訳を以下の表にまとめました。
教育段階 | 現地人教師 | 日本人教師 |
---|---|---|
初等教育 | 134人 | 18人 |
中等教育 | 225人 | 49人 |
高等教育 | 12人 | 19人 |
学校教育以外 | 3人 | 9人 |
ニュージーランドでは学習者層のメインである初等・中等教育段階では高いレベルの日本語教育が行われておらず、ニュージーランド国内の失業率も高いことから、日本人教師の需要は低くなってしまっています。
それでも日本人教師がニュージーランドで働くチャンスがあるのか・・・次に解説します。
ニュージーランドで日本語教師になるには?
日本人の日本語教師がニュージーランドで就労できるチャンスは非常に少なくハードルが高いのが現状です。
それでも現地で活躍する日本人教師がいるのも事実。
ニュージーランドで日本語教師になる方法を解説します。
ニュージーランドで日本語教師になるには以下の3つの方法があります。
- 初等・中等教育機関の教員になる
- 大学(大学院)の教員になる
- 日本語学校の日本語教師になる
それぞれ解説します。
1 初等・中等教育機関の教員
ニュージーランドの初等・中等教育機関の日本語教員として働くには、まずニュージーランドの教育系大学を卒業する必要があります。
就職活動としては自分で学校ごとの求人情報を探し、直接学校に応募し採用試験を受ける方法が一般的です。
日本語教員の求人情報がどの程度あるかも未知数のため、運も味方につけなければならず、チャンスは非常に少ないと言わざるを得ません。
2 大学・大学院(高等教育機関)の教員
大学(大学院)への就職に関しては、教育系大学を卒業のうえで、修士号以上の学歴が必要です。
就職活動もやはり自分で求人情報を探すことになります。
3 日本語学校(民間教育機関)の日本語教師
ニュージーランドの日本語学校で働くには、現地で就労するのに必要な英語力と日本国内の日本語学校等で必要な要件と同等の以下のいずれかの日本語教師資格があると有利です。
- 日本語教師養成講座420時間修了
- 大学(大学院)において日本語教師養成課程を主専攻(副専攻)
- 日本語教育能力検定試験に合格
ただし、求人案件は少なく、非常勤やコマ単位での採用がほとんど。
就労が可能なワーキングホリデービザや永住ビザなどでアルバイトとして働くことになるのが一般的です。
直接法か間接法かについては学校によって異なりますが、いずれにしても英語力は必要になります。
ニュージーランドの日本語学校で働くには、ワーキングホリデーを活用しましょう。
ただし、ワーキングホリデー制度は年齢が30歳までである必要があります。
ニュージーランドの日本語教師求人情報の探し方
ニュージーランドの求人情報は、基本的には現地で収集することになります。
ただし、求人サイトでも掲載される可能性もないわけではないので、チェックしてもよいでしょう。
以下の関連記事では、日本語教師向けの求人サイトを紹介しています。
ワーキングホリデー制度で現地の日本語学校の求人を探す場合は、基本的には自分で現地の求人情報を探すことになりますが、ワーホリエージェントの就職サポートでアドバイスを受けることも可能です。
ワーキングホリデーについては、以下の関連記事でおすすめのエージェントを紹介していますので、参考にしてください。
ニュージーランドってどんな国?
国名 | ニュージーランド |
---|---|
首都 | ウェリントン |
人口 | 520万人(2023年、ニュージーランド統計局) |
面積 | 270,534㎢ ※日本の約20.3倍 |
気候 | 温帯海洋性気候 |
通貨 | ニュージーランドドル(NZD) ※1NZドル=約90円 |
宗教 | キリスト教ほか |
言語 | 英語、マオリ語、ニュージーランド手話 |
歴史
ニュージーランドは古くからポリネシア系のマオリ族が住み、独自の文化や言語を持っていました。
1642年にオランダの探検家アベル・タスマンによってヨーロッパ人に初めて発見され、1769年にはイギリスの探検家ジェームズ・クックが上陸を果たしました。
その後、イギリスやオーストラリアからの移民が流入し、マオリ人とヨーロッパ人との間で争いもありました。
1840年、マオリ人とイギリスの間でワイタンギ条約が結ばれ、ニュージーランドはイギリスの植民地となりました。
1907年、ニュージーランドはイギリス連邦の自治領となり、1947年には完全な独立を果たしました。
現代のニュージーランドは、先住民のマオリ文化とヨーロッパ文化が融合した独特の文化を持つ国です。
気候
ニュージーランドの気候は、温帯海洋性気候が主で、年間を通して比較的穏やかです。
北島では温暖な気候が特徴で、夏は暖かく、冬は比較的温和です。
南島は、より涼しい気候で知られており、特に山岳地帯では寒冷です。
また、国全体が海に囲まれているため、気温の変化が少なく、湿度が高い傾向があります。
雨量は地域によって異なり、西海岸では豊富な降雨がありますが、内陸部や東海岸では比較的乾燥しています。
ニュージーランドは四季があり、12月から2月は夏、6月から8月は冬となります。
夏は日照時間が長く、アウトドア活動に適している一方で、冬はスキーなどのウィンタースポーツが楽しめます。
通貨
ニュージーランドの公式通貨はニュージーランド・ドル(NZD)です。
レートは、1NZドル=約90円。
紙幣は5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドルの各種類があり、硬貨は10セント、20セント、50セント、1ドル、2ドルが流通しています。
ニュージーランド経済があう程度安定しているため、通貨も比較的安定し、国際的にも幅広く取引されています。
また、クレジットカードなどのキャッシュレス決済も一般的です。
公用語
英語が最も広く使用されており、国の主要な言語となっています。
マオリ語は、ニュージーランド固有の先住民族マオリの言語であり、文化的な重要性を持ち、教育やメディアでも使用されています。
ニュージーランド手話は、ニュージーランドの公用語として認められており、聴覚障害者のコミュニティにとって重要な言語です。
ニュージーランドは多文化的な社会であり、アジア、ヨーロッパ、太平洋諸島の言語も広く話されています。
特に、最近の移民の流入により、中国語やヒンディー語などの使用も増加しています。
このように多様な言語が共存していることが、ニュージーランド社会の特徴の1つとなっています。
まとめ
以上、ニュージーランドで日本語教師として働くために必要な情報を解説しました。
- 学習者層は初等・中等教育機関に集中している
- ニュージーランドでは日本人教師の需要は低い
- 初等・中等教育機関で日本語教師になるには、現地の教育系大学を卒業しなければならない
- 大学・大学院の場合は、修士号以上の学歴が必要
- 日本語学校の場合は、ワーキングホリデービザで働くのが一般的
- 求人は現地で探すしかないが、念のため求人サイトも見てみるとよい
ニュージーランドで日本語教師になるには、日本語教師資格を持っていると有利です。
日本語教師としての専門知識を身につけるとともに実践力を鍛えることができる日本語教師養成講座を受講することをおすすめします。
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