メキシコで日本語教師になるには？｜求人の探し方・給料・需要も解説

この記事では、メキシコで日本語教師になるために必要な情報を解説します。

メキシコは人口1億2000万人以上と中米最大の人口規模を誇り、経済発展著しい国です。

日系企業の進出や日本文化そのものへの関心の高さから、日本語教育の需要は確実に伸びています。

日本語学習者数はスペイン語圏でトップ

メキシコは「スペイン語が得意な方」や「アジア以外の海外で働いてみたい方」におすすめの国です。

そんなメキシコで日本語教師になりたいと考えている方に、この記事ではこんな疑問にお答えします。

メキシコの日本語教育事情、必要な資格要件、給料事情、就職活動の方法、メキシコの基本情報まで、メキシコで日本語教師として働くために知っておくべきことを詳しく解説します。

興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

メキシコの日本語教育事情

メキシコの日本語教育は、日系人の子弟教育から始まったとされていますが、1960年代以降は日系人以外にも日本語教育が開始されました。

1968年のメキシコオリンピック、その後の日系企業の進出などの影響により、日本語教育の需要は徐々に拡大。

1990年代以降は継承語としてではなく外国語としての日本語学習需要が高まっていきました。

最新の調査（2021年度）の教育段階ごとの学習者数・教師数内訳は以下のとおりです。

メキシコでは、学校教育以外の民間日本語学校などで学ぶ学習者が大多数を占めています。

学校教育段階では日本語教育はほとんど導入されておらず、日本のアニメ・マンガなどの日本文化に関心が高い成人層がメインの学習者層になっています。

日本語教師も8割近くが学校教育以外の現場で活躍しているのが現状です。

メキシコでの日本語教師の需要

1万5,000人近くの人が日本語を学んでいるメキシコ。

果たして日本語教師の需要はどの程度あるのもなのでしょうか？

また、日本人の活躍の場はあるのでしょうか？

ここでは、最新の調査結果をもとに、メキシコにおける日本語教育の需要について、近年の動向を解説していきます。

メキシコの日本語学習者数

メキシコの日本語学習者数は14,552人（国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査」）。

世界第19位で、スペイン語圏ではトップの学習者数です。

さらに注目すべきは、近年の増加が顕著なことです。

特に2015年度から2018年度にかけては2倍以上に伸びています。

これは、この時期から多数の日系企業が進出したことに伴い、就職を目的とした日本語教育需要が急激に高まったと考えられています。

また、日本のアニメ・マンガなどの関心は依然として高く、日本語教育の需要は着実に高まっています。

では、次に日本語教師の状況について見ていきます。

メキシコの日本語教師数と日本人教師の割合

国際交流基金の調査によると、メキシコで働く日本語教師は612名（「2021年度 海外日本語教育機関調査」）。

学習者の急速な増加に伴い、教師数もかなり増加しています。

それでも教育現場では日本語教師が不足しているという声もあります。

ネイティブの日本人教師のほとんどは学校教育以外の日本語教育機関で働いており、コロナの影響で減少した日本人教師が、コロナ明けでどの程度回復するかが注目されます。

メキシコで日本語教師になるには？

メキシコは学習者数がスペイン語圏で最も多く、日本語教育の将来性も明るい国。

スペイン語圏で働きたい方やアジア以外の海外で働いてみたい方にも魅力的な国です。

そんなメキシコで日本語教師になるにはどんなことが必要か、解説します。

メキシコで働くための主な要件は以下のとおりです。

メキシコの主な日本語教師勤務要件
学歴要件
日本語教師 資格	・日本語教師養成講座修了 ・大学の日本語教師養成課程を主専攻（副専攻）履修・卒業 ・日本語教育能力検定試験合格
その他 資格・要件	・実務経験
給与目安 （月収）	8万5,000～17万円程度

このあと、メキシコで日本語教師として働くために必要な資格・要件と給料について解説します。

必要な日本語教師資格・経験

メキシコでは単に日本人というだけで日本語教師に応募可能な求人もあるようですが、メキシコの日本語学校の応募には、基本的には以下のいずれかの資格を所持していると有利です。

日本国内の日本語学校で必要とされる要件と同等の資格が求められます。

可能であれば、養成講座または大学とあわせて検定試験にも合格していると理想的です。

なお、メキシコでは応募段階でスペイン語能力は不問であるケースがほとんどですが、スペイン語能力があればアピール材料になるでしょう。

スペイン語圏ではメキシコが最も日本語教師の需要が高く、スペインの求人はかなり少ないので、スペイン語ができる方は、メキシコをめざすのがおすすめです。

メキシコにおける日本語教師の給料・待遇

メキシコにおける日本語教師の給料は、月収1万～2万ペソ程度です。

日本円に換算すると、約85,000～17万円程度になります。

以前は物価が安いイメージのあったメキシコですが、最近はインフレと円安の影響で物価は急速に上がっているようです。

とはいえ、公共交通や生活必需品は安く済ませられるため、財布と相談しながらうまくやりくりしていけば十分生活できる収入です。

日本人に馴染みのある外資系チェーン店は物価が高い傾向があるため、適度な利用にとどめるようにしましょう。

待遇面では基本給のほか、賞与支給・有給休暇付与・残業代・住宅手当・医療保険・渡航費用支給などがあるため、求人情報をよくチェックしましょう。

メキシコの日本語教師求人情報の探し方

メキシコの日本語教師求人情報はそれほど多くありません。

方法としては、求人サイトや養成スクールの求人情報で求人案件を見つけることができます。

また、養成スクールの過去のOBの体験談を聞いたり、スクールとつながりのある機関の話を聞いたりなどできるだけ生の情報を得られるとよいでしょう。

以下の関連記事では、日本語教師向けの求人サイトを紹介しており、メキシコの求人も時折掲載されています。

ぜひ参考にしてください。

メキシコってどんな国？

国名	メキシコ合衆国
首都	メキシコシティ
人口	1億2,601万人（2020年、国立統計地理情報院）
面積	1,964,375㎢（日本の約5.2倍）
気候	地域によって異なる　※「気候」を参照
通貨	メキシコペソ（MXN）　※1ペソ＝約8.5円
宗教	キリスト教ほか
言語	スペイン語

歴史

メキシコは古代マヤ文明、14世紀にはアステカ帝国が繁栄するなど、古くから文明が栄えた国です。

16世紀にはスペイン人による侵略を受け、約300年の間植民地化に置かれました。

1810年、メキシコ独立革命が勃発し、1821年にスペインからの独立。

独立後は、内戦や外国の干渉などにより政治・経済的に混乱した時期もありながら、1920年代には政治的安定を取り戻しました。

近年のメキシコは、経済成長と民主化が進み、中南米の有力な経済国として発展しています。

また、豊かな自然や多様な文化を有する観光大国でもあり、世界各国から多数の観光客が訪れています。

気候

メキシコの気候は、地域によって大きく異なり、北部は乾燥地帯、中央部は高原地帯、南部は熱帯です。

アメリカとの国境に近い北部は、年間降水量が少ない乾燥地帯で、夏は暑く乾燥し、冬は寒くなります。

首都メキシコシティを含む地域の中央部は、標高が高いため、冬は涼しく、夏は暑いものの夜は冷涼です。

ユカタン半島を含む南部と太平洋沿岸は、年間降水量が多い熱帯気候。夏は高温多湿で冬は温暖です。

また、カリブ海沿岸では、夏から秋にかけてハリケーンの影響を受けることがあります。

通貨

メキシコの通貨単位はメキシコ・ペソ（MXN）です。

レートは1ペソ＝約8.5円。

また、メキシコでは都市部を中心に急速にキャッシュレス決済が拡大しています。

クレジットカードはもちろん、モバイル決済を利用する人々も多く、国を挙げてキャッシュレス決済の普及に取り組んでいます。

公用語

メキシコには国が定めた公式の公用語は存在しませが、スペイン語が事実上の公用語として広く使われています。

メキシコは多文化国家であるため、スペイン語以外にも、ナワトル語、マヤ語、ミシュテカ語など、68の言語が話されているといわれています。

近年、メキシコ政府は先住民言語の保護と振興に力を入れており、スペイン語だけでなく先住民言語も広く使用されています。

ただ、人口の約9割がスペイン語を話しているため、日常生活で必要なレベルのスペイン語を習得しておくとよいでしょう。

まとめ

以上、メキシコで日本語教師として働くために必要な情報を解説しました。

メキシコで日本語教師になるには、日本語教師の資格要件を満たすと有利です。

また、日本語教師養成講座を受講すると、メキシコの求人情報が手に入りやすく、OBの経験談も聞けるなどの就職サポートを受けられます。

日本語教師としての専門知識を身につけるとともに実践力を鍛えることができる日本語教師養成講座を受講することをおすすめします。