この記事では、マレーシアで日本語教師として働くために必要な情報を解説します。
マレーシアは日本人にとっては身近な観光地で、定年後の移住先としても人気の国。
そんなマレーシアで働いてみたいと思う人も多いのではないでしょうか?
専門的なスキルがないと海外で働くのは難しいですが、日本語教師の資格があればマレーシアで海外生活を満喫しながら働くことも可能です。
しかも、マレーシアは比較的就労ビザが取得しやすく、日本語教師の需要もあるため、はじめての海外就労にもおすすめの国です。
この記事ではこんな疑問にお答えし、マレーシアで働くために必要な基本情報をお届けします。
- マレーシアで日本語教師になるにはどんな資格が必要?
- 就労ビザの取得要件は?
- 給料はいくらぐらい?
- マレーシアの日本語教育の需要はどのくらい?
- 就職活動にはどんな方法がある?
マレーシアという国の概要から、必要な資格要件、就労ビザの取得方法、日本語教師の給料事情、就職活動の方法まで、マレーシアで日本語教師として働くために知っておくべきことを詳しく解説します。
興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
- マレーシアで日本語教師として働きたい方
- これから日本語教師としてマレーシアに赴任することが決まっている方
- 海外で働いてみたいと思っている方
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マレーシアの日本語教育事情
まずは、マレーシアで日本語教師として働くために知っておくべき現地の日本語教育事情について解説します。
マレーシアにおける日本語教育の歴史は第二次世界大戦中の日本占領期から始まりますが、戦後、1966年にマレーシア大学に日本語コースが開設されたのが本格的な日本語教育の始まりです。
1982年にマレーシア大学に留学予備教育課程、1998年にマレーシア大学の言語学部に日本語専攻コースが設置されるなど、高等教育段階で日本語教育が広がりました。
中等教育においては、1984年に全寮制中学校で選択科目として導入され、2005年には一般の全日制中学校(通学制中学校)でも日本語教育が広がりました。
このような歴史から、マレーシアの日本語学習者は中等教育および高等教育段階の学生がほとんどを占めています。
最新の調査(2021年度)の教育段階ごとの学習者数・教師数内訳は以下のとおりです。
学習者数の半数以上は中等教育段階で、次いで高等教育段階の学生です。
公教育以外では、民間日本語学校や企業の研修過程等で学ぶ社会人も一定数存在します。
一方、日本語教師について見てみると、初等教育を除き、ほぼ均等に分布してします。
特に民間日本語学校等では日本人の教師の割合が25%程度と公教育以外の場面でネイティブ教師の需要が高い状況です。
このため、日本人教師の一般的な活躍の場としては民間日本語学校が最も可能性があるといえます。
次にマレーシアにおける日本語教師の需要について解説していきます。
マレーシアでの日本語教師の需要
日本人の日本語教師がマレーシアで働くにあたり、現地での日本語教師の需要がどの程度あるか気になるところです。
国際交流基金が3年に1度実施している調査結果から、近年の日本語学習者および日本語教師の需要の動向を解説していきます。
マレーシアの日本語学習者数
マレーシアの日本語学習者数は38,129人(国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査」)。
世界第10位、東南アジア諸国のなかでは5番目と、日本語教育がさかんな国です。
近年は韓国語の人気も高まっているマレーシアですが、マハティール元首相による東方政策による日本語教育の推進やいまだ多くの日系企業が存在することもあり、日本語の人気はまだまだあるようです。
では、次に日本語教師がどのくらいいるのかを見ていきます。
マレーシアの日本語教師数と日本人教師の割合
国際交流基金の調査によると、マレーシアで働く日本語教師は484名(「2021年度 海外日本語教育機関調査」)。
そのうち、ネイティブの日本人教師の割合は25%となっています。
日本人教師は学校教育以外の民間日本語学校が主な勤務先になっており、大学教員もいます。
以前は、多くの日本人教師が大学で日本語教育に携わっていましたが、近年はマレーシア人の日本語教師の育成が進んでおり、大学ではマレーシア人教師が大部分を占めている現状です。
民間日本語学校ではオンライン授業を取り入れている学校も多く、この影響で学習者も増加していることから、今後はICTスキルをもった日本人教師の需要も高まっていくのではないかと考えられます。
マレーシアで日本語教師になるには?
ここでは、日本語教師がマレーシアで働くのに必要な要件について解説します。
マレーシアで働くには、就労ビザを取得し、就職に必要な日本語教師資格を所持している必要があります。
マレーシアで働くための主な要件は以下のとおりです。
マレーシアの主な日本語教師勤務要件 | |
---|---|
学歴要件 | 大卒または短大卒以上 |
日本語教師 資格 | ・日本語教師養成講座修了 ・大学の日本語教師養成課程を主専攻(副専攻)履修・卒業 ・日本語教育能力検定試験合格 |
資格・要件 | その他・実務経験(3年以上) ・英語力 |
(月収) | 給与目安15万円程度~ |
周辺国と比較すると、要件はそれほど厳しいものではありません。
このあと、就労ビザの取得要件と日本語教師資格についてさらに解説します。
就労ビザ
日本人がマレーシアで日本語教師として働くためには就労ビザの取得が必要です。
シンガポールやインドネシアなど東南アジアの周辺国は、近年は自国民の雇用環境を守るため、徐々に就労ビザの審査基準を厳格化しています。
このため、マレーシアは就労ビザを比較的取得しやすい国であると言われています。
就労ビザの種類はいくつかありますが、基本的にはEPと呼ばれる雇用ビザ(Employment Pass)を取得するのが一般的です。
EPはマレーシアの雇用主によって雇用される外国人の管理職や専門家に発給される就労ビザです。
EPは月額給与に応じて3つのカテゴリーに分かれています。
カテゴリーⅠ | 【最低月額給与】10,000リンギット以上 【滞在可能年数】最長5年 |
---|---|
カテゴリーⅡ | 【最低月額給与】5,000~9,999リンギット 【滞在可能年数】最長2年 |
カテゴリーⅢ | 【最低月額給与】3,000~4,999リンギット 【滞在可能年数】最長1年 【備考】内務省による特別な許可が必要 |
また、カテゴリーに関わらずいずれかの学歴・職歴要件が求められます。
- 大卒以上 かつ 関連職種における職務経験が3年以上
- 短大卒以上 かつ 関連職種における職務経験が5年以上
- 職業訓練校等卒業 かつ 関連職種における職務経験が7年以上
EPの申請は申請要件を満たした雇用主が行うこととなりますが、申請者側で用意する書類もあるため、勤務先と十分に連絡を取りながら計画的に手続きを進めていきましょう。
必要な日本語教師資格・経験
日本語教師としての採用要件については、就労ビザがクリアできれば、多くの求人では日本国内の日本語学校等で必要な要件と同等の資格が必要とされています。
- 日本語教師養成講座420時間修了
- 大学(大学院)において日本語教師養成課程を主専攻(副専攻)
- 日本語教育能力検定試験に合格
また、マレーシアでは英語が広く使用されていることから、英語力は大きな武器になるでしょう。
マレーシアにおける日本語教師の給料・待遇
マレーシアの求人情報を見てみると、月額5,000リンギット(約15万円)程度からのスタートが一般的なようです。
月額5,000リンギットといえば、就労ビザEPのカテゴリーⅡを満たす基準にあわせていることになります。
マレーシアの物価は隣国のシンガポールほど高くはなく、日本では定年退職後の移住先としても人気な国ということもあり、生活に困ることはないでしょう。
待遇面では基本給のほか、賞与支給・有給休暇付与・残業代・住宅手当・医療保険・渡航費用支給などがあるため、求人情報をよくチェックしましょう。
マレーシアの日本語教師求人情報の探し方
マレーシアで働くための就職活動の方法としては、主に養成スクールの就職支援や求人サイトを通して一般の応募をする方法と、国際交流基金の海外派遣事業に挑戦する方法があります。
以下、それぞれについて解説します。
就職支援 または 求人サイトで探す
マレーシアの求人情報を見つける方法としては、養成講座受講生であればスクールの就職支援を活用しましょう。
マレーシアは日本語教師の人気の就職先ということもあり、定期的に求人情報が入ってきます。
過去にマレーシアに行ったOBもいるスクールも多いため、就職のためのノウハウも伝授してもらいましょう。
このほか、求人サイトでもマレーシアの求人情報を検索することができます。
以下の関連記事では、日本語教師向けの求人サイトを紹介しています。
マレーシアの求人は情報量としては多くはありませんが、定期的にチェックしていれば必ず出てきますので、タイミングを逃さないよう注意しましょう。
国際交流基金|日本語パートナーズ
国際交流基金の日本語パートナーズ事業は、アジアの教育機関で日本語教師のアシスタントや運営補助などの要員として派遣されるプログラムです。
活動がサポート的な内容のため、応募するにあたり日本語教師資格や実務経験は必須要件ではありません。
未経験でも海外の日本語教育が経験できるため、人気のプログラムです。
選考を通過できれば、合宿型の派遣前研修もあり、現地のマレー語も習得できるため安心して渡航できます。
近年は春ごろに募集がかかり、マレーシアには毎年10名程度が派遣されています。
主な派遣先は現地の中等教育機関(中学校・高校)です。
2023年度の募集はすでに終了していますが、2024年度も募集がかかる可能性が高いため、定期的に公式サイトをチェックしましょう。
参考に2023年度の情報をご紹介します。
【 参 考 】 国際交流基金 日本語パートナーズ派遣事業 2023年度第1回 募集要項(抜粋) 【募集終了】 | |
---|---|
活動内容 | ・日本語教師が行う日本語授業への協力 ・教材作成等の協力 ・生徒との交流(日本語会話、文化活動等) ・国際交流基金に関する日本語教育事業への協力 ・その他現地の要望に応じた協力等 |
募集人数 | 10名 |
派遣期間 | 2024年3月~2024年11月 |
派遣先 | 中等教育機関(中学校・高等学校) |
主な応募要件 | ・生年月日が1964年12月1日から2003年6月1日まで ・日本国籍を有し、日本語母語話者であること ・日常生活で必要最低限の意思疎通が図れる英会話能力があること ・派遣前研修に全日程参加できること ・SNS等による情報発信に協力できること ・基本的なパソコン操作ができること ・新型コロナワクチンを派遣前研修の1か月前までに2回以上接種していること ・日本語パートナーズの経験者・内定者ではないこと |
第50回 #日本語パートナーズ 派遣前研修が11/20(月)に国際交流基金 #関西国際センター にて始まりました。#マレーシア に派遣予定の10名の皆さんは約1ヵ月間の研修で、現地の言葉や現地教師との #チームティーチング の手法などを学びます。充実した派遣前研修となるように願っております! pic.twitter.com/432qkfbLZw
— 国際交流基金 日本語パートナーズ派遣事業 (@NihongoPartners) November 20, 2023
12月15日(金)、第50回 #日本語パートナーズ派遣前研修 の修了式を実施しました。代表者が1か月間の研修を振り返り、派遣への意気込みを語りました。また1か月勉強したマレー語を使用した発表会で、学習の成果を披露しました。#マレーシア10期 の10名は、2024年3月に現地に向けて出発します。 pic.twitter.com/WFveOq9v1C
— 国際交流基金 日本語パートナーズ派遣事業 (@NihongoPartners) December 15, 2023
国際交流基金では日本語パートナーズ事業のほか、日本語教育の専門家を派遣する事業も実施しています。
募集人数は少なく、学歴と経験年数が必須要件になりますが、日本語教師としてのスキルを高める絶好の機会になるので、経験者はぜひ挑戦してみましょう。
マレーシアってどんな国?
国名 | マレーシア |
---|---|
首都 | クアラルンプール |
人口 | 3,301万人(2022年、マレーシア統計局) |
面積 | 330,411㎢ |
気候 | 熱帯雨林気候 |
通貨 | リンギット ※1リンギット=約30円 |
宗教 | イスラム教、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教など |
言語 | マレー語、英語、中国語、タミール語 |
マレーシアは民族、文化、言語などさまざまな面で多様性をもっている国です。
マレーシアで生活し働くにあたり最低限知っておくべき、マレーシアの基本情報をお届けします。
歴史
マレーシアは古くは8世紀にシュリーヴィジャヤ王国、14世紀にはマジャパヒト王国の支配下にありました。
15世紀には東南アジア初のイスラム王朝であるマラッカ王国が成立。
マラッカ王国は、中国、インド、ヨーロッパの商人たちとの交易で栄え、マレー半島の政治・経済の中心地となりました。
16世紀、ポルトガルがマラッカを占領し、オランダ、イギリスが相次いでマレー半島を植民地化。
イギリスは、19世紀にシンガポールを買収するなどマレー半島の植民地を統合して海峡植民地を形成し、内陸部も保護領としました。
第二次世界大戦中は日本軍がマレーシアを占領し、戦後はイギリスによってマレー半島の植民地が統合されマラヤ連邦が成立しました。
1957年、マラヤ連邦はイギリスから独立し、多民族国家として歩み始めました。
1963年、シンガポール、サラワク、サバを加えてマレーシア連邦が成立。
その後、シンガポールが1965年に分離独立し、現在のマレーシアとなりました。
マレーシアは20世後半、目まぐるしい経済発展を遂げていきましたが、一方で多民族国家ゆえに複雑な民族間対立の問題を抱えていました。
錫の開発を機に流入した中国系移民が経済を掌握していたことで、地元のマレー人との経済格差が鮮明になり、1970年代には時の政権によりマレー人を優遇する「ブミプトラ政策」が推し進められました。
ブミプトラ政策は民族差別を助長する要素もあることから国内外で賛否両論があり、マレーシアの複雑な社会構造を象徴するものとなっています。
それでもマレーシアは20世紀末にはマハティール首相のもとで著しい経済発展を遂げます。
マハティール首相は個人主義を重視する旧宗主国イギリスとの関係を見直し、集団の利益を優先する日本との経済的な関係を強化して経済を成長させる方針を提言。
この方針は「東方政策」と呼ばれ、これをきっかけに日本とマレーシアの経済的な結びつきが強まり、日本企業が次々とマレーシアに進出していきました。
現在でもマレーシアにとって日本は政治・経済・文化面で重要なパートナーですが、近年は中国やアメリカとの結びつきも強く、こうしたことがマレーシアの日本語教育事情にも変化をもたらしている要因とも考えられます。
気候
マレーシアは熱帯雨林気候に属し、赤道近くにあります。
年間を通じて高温多湿で、平均気温は25~30度前後ですが、意外にも35度以上の猛暑になることは稀のようです。
ただ、マレーシアはタイ・シンガポールと隣接するマレー半島とインドネシア・ブルネイと隣接するボルネオ島に大きく分かれており気候も異なります。
マレー半島のなかでも首都クアラルンプールやペナン島がある西部は年間を通じて気候が安定しており温暖で過ごしやすい日が多いです。
マレー半島東部は11月から3月頃が雨季となり、スコールが頻繁に訪れます。
また、自然が豊かでオランウータンの生息地としても有名なボルネオ島も11月から3月頃が雨季です。
通貨
マレーシアの通貨は、リンギット(MYR)。
日本語では、「リンギ」と発音する場合もあります。
補助単位は「セン」で、1リンギット=100セン。
日本円とリンギットのレートは、1リンギット=約30円。
リンギットの最高額紙幣は100リンギットで、紙幣のほか硬貨も広く流通しています。
また、クレジットカードやデビットカードなども広く利用されています。
公用語
マレーシアの公用語は、マレー語です。
マレー語は、オーストロネシア語族に属する言語で、インドネシア語とよく似ています。
人口の約6割がマレー系であり、マレー語はマレー系の母語です。
また、中華系やインド系の人々もマレー語を第二言語として話します。
マレーシアでは、公用語であるマレー語に加えて、中国語、タミル語、英語なども広く話されています。
中国語は中華系の人々、タミル語はインド系の人々の主要言語です。
英語は都市部を中心に、ビジネス、国際交流などの分野で広く使用されています。
また、学校教育で英語は第二言語として必須科目でもあることから、多くのマレーシア人が流暢に話します。
マレーシアで働く際には、基本的なマレー語の習得とともに、英語力も鍛えておくとよりコミュニケーションが円滑に行えるでしょう。
まとめ
以上、マレーシアで日本語教師として働くために必要な情報を解説しました。
- 日本人教師の割合は民間日本語学校が最も高い
- マレーシアの就労ビザ取得には学歴(大卒)+日本語教師資格+実務経験が必要
- 日本語教師に求められる要件は「大卒+日本語教師資格」が基本
- マレーシアは英語も公用語のため英会話能力があると有利
- 給与は月収15万円程度からが相場
- 求人情報は養成スクールの就職サポートか求人サイトで探す
- 国際交流基金の日本語パートナーズ事業(毎年募集あり)への参加もおすすめ
マレーシアで日本語教師になるにはまず、日本語教師の資格要件を満たす必要があります。
日本語教師としての専門知識を身につけるとともに実践力を鍛えることができる日本語教師養成講座を受講することをおすすめします。
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