ベトナムで日本語教師になるには?|求人の探し方・給与・需要も解説

ベトナムで日本語教師になるには?

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この記事では、ベトナムで日本語教師として働くために必要な情報を解説します。

近年、ベトナムでは日本語学習者の数が急増しており、日本語教師の需要も高まっています。

治安が比較的安定しており勤勉な国民性などから、はじめて海外で働く国としてベトナムを選ぶ日本語教師も多く、人気の赴任先です。

一方で、ベトナムで働くには日本とは違った資格要件や手続きが必要なケースもあり、しっかりとした情報収集が必要です。

この記事では、ベトナムの日本語教育事情から日本語教師の給与・待遇面、求人の探し方まで、ベトナムで日本語教師として働くために知っておくべきことを詳しく解説します。

ベトナムで日本語教師として働くことに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

この記事はこんな人におすすめ
  • ベトナムで日本語教師として働きたい方
  • これから日本語教師としてベトナムに赴任することが決まっている方
  • 海外で働いてみたいと思っている方

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目次

ベトナムでの日本語教育の需要

ベトナム

ベトナムは世界のなかでも経済発展著しい国。

日本とのつながりも強く、日本人にとっては身近な国でもあります。

果たして日本語教育の需要はどのくらいあるのでしょうか?

最新の調査結果から、ベトナムにおける日本語教育の需要を解説します。

ベトナムの日本語学習者数は世界第

ベトナムの日本語学習者数の推移
参考元:国際交流基金 2009~2021年度 海外日本語教育機関調査

ベトナムの日本語学習者数は約169,000人(国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査」)。

世界第6位の多さで、日本語教育がさかんな東南アジア諸国では、インドネシア、タイに次いで3番目に位置しています。

特に2015年から2018年にかけて学習者数は3倍近く増加し、爆発的に需要が高まっています。

これは、国策「国家外国語プロジェクト」の一環として、2016年から一部の小学校で第一外国語としての日本語教育が始まったほか、以前から取り入れられていた中等教育の現場でも急速に普及していることなどが大きな要因です。

管理人

日本に興味を持ち、日本への進学・就職をめざすベトナム人も多いです。
ベトナム政府はあらゆる教育段階で日本語教育を積極的に推進しています。

多数の日本企業が進出するなど、以前から経済的・文化的結びつきが強い日本とベトナム。

日本のアニメや漫画などのポップカルチャーは、ベトナムでも人気が高く、若い世代を中心に日本への関心が高まっています。

2018年から2021年はコロナの影響により学習者数は微減しましたが、コロナがほぼ収束したことで、今後も日本語教育において世界有数の成長市場になると期待されています。

ベトナムで活躍する日本語教師の数

ベトナムの日本語教師数の推移
参考元:国際交流基金 2009~2021年度 海外日本語教育機関調査

国際交流基金の調査によると、ベトナムで働く日本語教師は5,644名(「2021年度 海外日本語教育機関調査」)。

学習者数の増加とともに教師の数も増えています。

しかしながら、教師数のうちネイティブである日本語母語教師の割合はコロナの影響もあり減少傾向です。

ベトナムの日本語教師数に占める日本語母語教師の数と割合
  • 2015年度: 318名(17.7%)
  • 2018年度:1,025名(14.6%)
  • 2021年度: 730名(12.9%)

ベトナムでは日本語母語教師は主に中上級レベルで会話や作文指導を任されることが多く、初級レベルを教える機会が少ない状況のようです。

初等・中等教育段階での学習者が増加しているベトナムにあっては、相対的に日本語母語教師の割合が減少するのは致し方ないところです。

ただ、学習者数の増加率に比べて教師数が追い付いていないのが現状で、ベトナムの日本語教育現場では日本語教師不足が懸念されています。

ベトナムでは日本語教育の環境が急激に変わりつつあるため、日本語母語教師の需要が今後どの程度変化するのかは未知数です。

しかし、日本語母語教師の絶対数として増えているのは事実なので、ベトナムでの活躍のチャンスは十分にあるといえるでしょう。

ベトナムの日本語教育事情

ベトナムの日本語教育

ベトナムの日本語教育は現在、技能実習生の送り出し機関、民間日本語学校、日系企業等を中心に行われており、学校教育でも取り入れられています。

ベトナムにおける日本語教育の歴史は、1961年から高等教育(大学)で始まりました。

2000年代に入り中等教育へと導入。

近年では小学校でも日本語を第一外国語とするところがあるなど、学校教育でも広がりを見せています。

最新の調査(2021年度)の教育段階ごとの学習者数・教師数内訳は以下のとおりです。

参考元:国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査」

学校教育にも広がってきたとはいえ、依然として、学習者数・教師数ともに学校教育以外の教育機関に占める割合が非常に高いのがベトナムの特徴です。

それでは、教育段階別に詳しく見ていきます。

なお、ベトナムの学校教育制度は、小学校(5年制)・中学校(4年制)・高校(3年制)・大学(4年制)で、義務教育は9年間です。

初等教育(小学校)

初等教育における日本語教育は2016年から5校で実験的に開始。

これは2003年の英語教育の導入に次ぐもので、国の外国語強化施策「国家外国語プロジェクト」(2008年)の一環で、2022年には日本語が正規の第一外国語科目として承認されました。

ただ、現段階では数校にとどまっており、初等教育段階での需要はわずかなため、今後も大きなウエイトを占めることはなさそうです。

中等教育(中学校・高等学校)

ベトナムでは、2003年に始まった「中等教育プロジェクト」を通じて日本語教育が拡大し、現在は10地域で実施されています。

2022年11月時点で、中学校87校、高校45校で日本語が教えられており、2008年の国家外国語プロジェクトによって初等教育にも外国語教育が導入されました。

しかし、教師不足は依然として課題であり、特に公務員ポストが不足している地域では、民間からの教師派遣に依存する状況が続いています。

高等教育(大学)

高等教育機関では、1961年にハノイ貿易大学で日本語教育が開始されて以来、現在では88の高等教育機関で日本語教育が行われています。

日本への就職機会と日系企業の好条件に魅かれる学生の増加に伴い、ベトナムでは日本語学習者が増えています。

多くの外国語大学では、卒業要件として日本語能力試験N2レベルを設定しており、優秀な学生はN1取得者もいます。

日本語教育は法科、理工、医療福祉、観光などの分野にも広がり、地方都市の大学にも導入されています。

教師不足は課題ですが、日本語教員の育成や派遣に向けた取り組みが進んでいます。

学校教育以外(技能実習生など)

ベトナムの日本語学習者数の半数以上は学校教育以外で学ぶ人たちです。

教育現場としては、技能実習生の送り出し機関、民間日本語学校、日系企業などがあります。

特に技能実習生向けの機関は日本への労働移動が活発なベトナムにおいて重要な役割を担っており、日本人教師の需要も高いです。

また、日系企業のベトナム進出に伴い、企業内での日本語教育の需要も増加しており、ビジネス場面でのコミュニケーション能力を養うためのプログラムも展開されています。

日本国内での待遇面の問題や円安の影響などにより、他国での就労を希望するベトナム人が増加しています。

日本語教育の需要も低下するのではないかとの指摘もありますが、ベトナムにおいて日本語の需要が高水準であることには変わりなく、日本人教師の主な就労先であり続けるでしょう。

ベトナムで日本語教師になるための要件

日本語教師

ベトナムで日本語教師として働くための一律の資格や要件はありませんが、現地で就労するためのビザの取得要件を満たしたうえで、応募先の定める資格要件を満たす必要があります。

ビザの取得要件と応募にあたり必要とされる一般的な資格について解説します。

就労ビザ

就労ビザ(ベトナム)

日本人がベトナムに45日間以上滞在し就労するためには、ビザと労働許可証(ワークパーミット)の取得が必要です。

労働許可証には種類がありますが、日本語教師として就労する場合は「専門家」の労働許可証を取得することになります。

労働許可証を取得するための資格要件は以下のとおりです。(参照:在ベトナム日本大使館公式サイト

ベトナム 労働許可証「専門家」取得要件
  • 大卒以上または同等の学歴を有すること
  • ベトナムで就労予定の職務に適合した実務経験が3年以上

労働許可証については審査が厳しい場合もあり、取得に時間がかかったり追加の書類提出を求められることもあるようです。

一方で上記資格要件が厳格に適用されないケースもあるなど、審査状況は申請時期の国際情勢や両国関係等により左右される要素があります。

労働許可証の取得には、申請者本人が用意する書類と雇用主側が作成する書類が必要です。

採用先によっては取得代行費用を負担してもらえることもあるため、採用先や代行業者などの協力を得ながら期間に余裕をもって申請するようにしましょう。

ビザおよび労働許可証の取得要件等は国際情勢等により急遽変更となる場合があります。
申請の際には、ベトナム大使館や採用先から最新情報を取得してください。

必要な日本語教師資格・経験

資格要件

ベトナムで日本語教師として働くにあたり、必要とされる要件は勤務先・勤務場所によりさまざまです。

ただ、求人情報を見ると、以下のとおり、日本国内の日本語学校等で必要な要件と同等の資格が求められているようです。

  1. 日本語教師養成講座修了
  2. 大学(大学院)において日本語教師養成課程を主専攻(副専攻)
  3. 日本語教育能力検定試験に合格

労働許可証の取得にも必要な大卒要件はほぼ必須です。

また、養成課程の修了実績や日本語教師としての経験も同時に求められます。

このほか、修士以上の学歴・語学力・他業種での経験なども要件に含まれていたり、あると優遇されるケースがあります。

ただ、世界的にみるとハードルはそれほど高くありません。

興味のある求人があれば積極的に応募し、不安な点があれば面接で聞いてみるのもよいでしょう。

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ベトナムにおける日本語教師の給料・待遇

ベトナムの給料

給与・待遇面についても勤務先によりさまざまです。

ベトナムにおける日本語教師の平均的な給与としては、月収約7万円から15万円程度が一般的なようです。

受取りは原則として現地通貨ドン(VND)ですが、米ドルでの支給の場合もあるようです。

ベトナム人の平均月収は4万円程度のため、現地の庶民的な生活をしていれば、生活に困ることはなくある程度余裕をもった生活ができます。

待遇面では基本給のほか、賞与支給・有給休暇付与・残業代・住宅手当・医療保険・渡航費用支給などがあるため、求人情報をよくチェックしましょう。

ベトナムの日本語教師求人情報の探し方

ホーチミンシティ

養成機関による紹介

養成スクールや大学等の日本語教師養成機関を通じて紹介してもらう方法が最も近道です。

海外に系列校・提携校を持つ機関の修了生は独自のネットワークを通じて海外で働くチャンスを得られます。

直接の紹介がなくても、ベトナムへの就職実績がある機関では、その実績に基づく就職支援や卒業生からの貴重な情報提供を受けられることがあります。

また、養成機関は求人情報を豊富に扱っており、自分で探すよりもはるかに効率的です。

多くの機関では養成課程修了後も就職サポートを受けられるので、まずは養成機関を頼ってみることをおすすめします。

海外派遣プログラムに参加する

海外派遣プログラムには、JICAまたは国際交流基金の公的機関によるプログラムと、民間の日本語学校等が主催するプログラムがあります。

JICA(海外協力隊)は年2回(春・秋)募集があり、ベトナムの求人も比較的多いです。

>>>JICA公式サイト

ただし、一定の経験年数や学歴(修士以上)、英語力などが求められるケースがあり、ハードルは高めです。

国際交流基金(日本語教育専門家など)でもベトナムが派遣先のプログラムがありますが、募集は不定期です。

>>>国際交流基金公式サイト

求人サイトで探す

ベトナムの求人は多いため、求人サイトでも比較的簡単に探すことができます。

ベトナムへの就職におすすめの求人サイトはこちらです。

ベトナム求人のおすすめサイト

以下の関連記事では、ベトナムの求人も掲載されている求人サイトを紹介しています。

ベトナムってどんな国?

ベトナム国旗と地図
国名ベトナム社会主義共和国
首都ハノイ
人口約9946万人(2022年、ベトナム統計総局)
面積32万9241㎢
気候【北部】亜熱帯性気候 【南部】熱帯モンスーン気候
通貨ドン(VND) ※1,000ドン=約6円
宗教仏教、キリスト教、イスラム教、カオダイ教など
言語ベトナム語

歴史

ホーチミン

ベトナムの歴史は古く、紀元前からたびたび中国の支配下に置かれていました。

19世紀にはフランスの保護国となっていたことから、現在でも標識にフランス語が併記されていたり、フランスパンが食されるなど、フランスの影響が残っています。

20世紀に入ると、欧米列強や日本の影響を受けますが、1945年にホーチミン主席のもと独立。

しかし、独立後も紛争は続き、アメリカも介入し、1965年にベトナム戦争が開始。

戦況は長期化・泥沼化し、多くのベトナム人が犠牲になりました。

1976年にようやく南北統一国家「ベトナム社会主義共和国」が成立し、ベトナムに平和が訪れました。

その後、ベトナムは独自の経済政策や日本・欧米各国との関係修復などで急激に経済成長し、現在もその成長は続いています。

気候

ハロン湾

ベトナムの気候は、北部と南部で大きく異なります。

首都ハノイのある北部は亜熱帯性気候で、四季があり、日本ほどではありませんが、季節によって寒暖の差があり、冬の朝晩は肌寒くなります。

一方、ホーチミン市のある南部は熱帯モンスーン気候で年間を通して暑い日が続き、乾季(11~4月)と雨季(5~10月)に分かれています。

通貨

ベトナム通貨(ドン)

ベトナムの通貨は、ドン(VND)です。

レートは1,000ドンで約6円。

1万ドンでも60円程度なので、ケタの大きさに慣れる必要があります。

物価は日本と比べると格段に安く、庶民的な食堂で1食数十円から高くても200円程度です。

一部の高級ホテルなどでは米ドルが使える場合がありますが、基本的にはドン紙幣が広く流通しています。

公用語

ダナン駅

ベトナムの公用語はベトナム語です。

空港やホテルを除き、英語はほぼ通じません。

ベトナムに赴任する前に生活に必要な最低限のベトナム語を習得しておくと安心です。

文字はアルファベットをもとにしているため、地名や人名などの固有名詞は読むことができます。

問題は発音です。

ベトナム語の声調は6種類。

中国語(4種類)やタイ語(5種類)よりも多く発音も特殊なため、発話・聞き取りともにある程度の練習量が必要です。

ベトナムで日本語教師になるには?

ベトナムで日本語教師になる

以上、ベトナムで日本語教師として働くために必要な情報を解説しました。

ベトナムは日本人にとって身近な国であり、求人情報も豊富なため、日本語教師として働きやすい国のひとつです。

ベトナムで日本語教師になるにはまず、日本語教師の資格要件を満たす必要があります。

日本語教師としての専門知識を身につけるとともに実践力を鍛えることができる日本語教師養成講座を受講することをおすすめします。

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