日本語教員試験の合格率について、試験ルート合格者が最新データを用いて解説します。
日本語教員試験は、2024年から始まった日本語教師の国家試験です。
はじめて実施された令和6年度日本語教員試験の受験者は1万人以上。
合格によって可能性が大幅に広がることから、多くの人が国家資格取得のために、日本語教員試験の合格をめざしています。
- 日本語教員試験の合格率はどのくらい?
- ルート別の合格率は?
- 基礎試験と応用試験の合格率は?
- 合格率の数字をどう考えればいい?
これから日本語教員試験の受験を考えている方にとって、合格率はとても気になる数字ですよね。
合格率は、試験の難易度だけでなく、受験ルートや勉強方法の判断材料にもなります。
そこで、最新の公表データから日本語教員試験の合格率を徹底分析!

令和6年度日本語教員試験に試験ルートで受験し、合格率8.7%を突破した私が解説します。
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日本語教員試験の合格率は?|最新の公表データを確認


日本語教員試験の過去の合格率は、文部科学省が公表しています。
文部科学省公式サイトによると、令和6年度日本語教員試験の合格率は、
62.6%
受験者17,655人のうち11,051人が合格する結果となりました。
しかし、この受験者の中には、経過措置によりすべての試験を免除された全試験免除者が含まれているため、実際に試験を受けた人たちの結果を表しているわけではありません。
また、日本語教員試験には、複数の受験方法があり、それぞれで合格率が異なります。
ここでは、日本語教員試験の全体像がわかる3つの合格率を解説します。
- 実際の試験受験者全体の合格率
- 受験科目別の合格率
- 資格取得ルート別の合格率
会場受験者全体の合格率
まずは、日本語教員試験を実際に会場で受験した人の全体の合格率を見ていきます。
▼実際に試験を受けた人全体の合格率▼
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和6年 (2024年) | 11,697 | 5,093 | 43.5% |
受験者全体で見てみると、令和6年度の合格率は43.5%でした。
日本語教師の国家資格をめざして受験された人のうち、半数以上が涙を飲むという厳しい結果になったといえます。
日本語教員試験が並大抵の勉強では合格できない試験であることを表す結果です。
しかし、日本語教員試験は受験の種類によって大きく合格率が異なるため、全体の合格率は受験生にとっては、実はあまり参考になりません。
次にご紹介する受験科目別の合格率が受験生にとって最も重要な数字になります。
受験パターン別の合格率
日本語教員試験の合格率として、受験生にとって最も参考にできる数字が、受験した試験のパターン別合格率です。
日本語教員試験の受験パターンは2種類です。
- 全試験受験(基礎試験+応用試験)
- 基礎試験免除(応用試験のみ受験)
簡単にいえば、
基礎試験を受験しているか、していないか
により合格率が大きく異なります。
令和6年度の結果は以下のとおりです。
▼受験パターン別の合格率【R6】▼
受験パターン | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
全試験受験 (基礎+応用) | 3,947 | 366 | 9.3% |
基礎試験免除 (応用試験のみ) | 7,750 | 4,727 | 61.0% |
- 基礎試験と応用試験を両方受験した人の合格率は9.3%
- 応用試験のみを受験した人の合格率は61%
と受験パターンによって、合格率に大きな開きがありました。
特に、全試験受験者の合格率は10%以下と、他の難関国家資格に肩を並べる水準でした。
このことから、基礎試験の免除を適用して応用試験のみを受験するパターンのほうが、圧倒的に合格率が高いことがわかります。
資格取得ルート別の合格率
日本語教員試験には、要件によりいくつかの資格取得ルートにわかれています。
- 試験ルート:受験要件なし
- Cルート:直近の養成課程修了者
- D-1/D-2ルート:旧養成課程修了の現職者
- E-1/E-2ルート:検定試験合格済みの現職者
- Fルート:C〜Eルートに該当しない現職者
E-1/E-2ルートは全試験免除のため、会場受験が必要なそれ以外のルート別合格率を見ていきます。
▼資格取得ルート別の合格率【R6】▼
ルート | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
試験ルート (基礎+応用) | 3,681 | 322 | 8.7% |
Fルート (基礎+応用) | 266 | 44 | 16.5% |
Cルート (応用試験のみ) | 5,530 | 3,365 | 60.8% |
D-1ルート (応用試験のみ) | 1,539 | 928 | 60.3% |
D-2ルート (応用試験のみ) | 681 | 434 | 63.7% |
ルート別の合格率を見ても、基礎試験の受験が必要な「試験ルート」と「Fルート」は軒並み低い合格率です。
一方、応用試験のみの受験ルートは、いずれも60%台の合格率で、ルートごとの違いはそれほどありません。
よって、日本語教員試験の合格率は、現職者であるか否かや過去の養成課程修了実績に左右されるのではなく、
基礎試験受験の有無で合格率が大きく異なる
ことがこの結果を見ても明らかなようです。
日本語教員試験|基礎試験と応用試験の合格率は?
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日本語教員試験は午前の基礎試験と午後の応用試験の2部構成となっています。
それぞれの合格率を割り出して、分析していきます。
基礎試験の合格率
試験ルートの合格率8.7%が衝撃を与えた令和6年度日本語教員試験。
基礎試験がどれほどの合格率だったのか⋯
基礎試験のみの合格率は以下のとおりです。
▼基礎試験の合格率▼
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和6年 (2024年) | 3,947 | 367 | 9.3% |
結果としては、10人に1人も受からない非常に厳しい試験となりました。
基礎試験がなぜこれほどまでに合格率が低かったのかについて詳しくは後述しますが、試験ルート突破には、基礎試験の攻略がカギになることは間違いなさそうです。
応用試験の合格率
午後の応用試験は聴解パートと読解パートに分かれていますが、総合得点で合格判定されます。
しかし、実は、応用試験の正確な合格率は不明です。
なぜかといえば、基礎試験不合格者の応用試験は採点されないからです。
そこで、公表される限りの数字を用いて、応用試験の合格率を分析していきます。
まず、応用試験の採点対象となった受験者の合格率は以下のとおりです。
▼応用試験(採点対象者)の合格率▼
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和6年 (2024年) | 8,116 | 5,093 | 62.8% |
上記は、応用試験を受験した人のなかで、基礎試験合格または基礎試験免除により応用試験の採点対象となった受験者の合格率です。
およそ10人に6人程度が合格する結果となりましたが、逆に、経験者でも合格できなかった方が一定数いたことが推測されます。
さらに、基礎試験合格者と免除者別の応用試験合格率も見ていきます。
▼(基礎試験状況別)応用試験合格率【R6】▼
基礎試験 合格/免除別 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
基礎試験合格者 | 367 | 366 | 99.7% |
基礎試験免除者 | 7,750 | 4,727 | 61.0% |
基礎試験合格者の応用試験突破率は驚異の99.7%。
基礎試験に合格すると、ほぼ確実に応用試験に合格している
という結果に。
応用試験の合格率は6割程度と決して簡単な試験ではありませんが、
基礎試験対策が応用試験の合格に相当有効になる
ことが証明される合格率といえるでしょう。
日本語教員試験と日本語教育能力検定試験の合格率を比較してみた


合格率はこれから受験を考えている方にとって、まず確認しておきたい数字です。
ただ、日本語教員試験の結果だけを見ても、合格率の数字が何を意味するのかわかりにくく、合格率だけが独り歩きしてしまうことも。
そこで、参考になるのが、類似試験との比較です。
日本語教員試験と同様に、日本語教師としての能力を測る日本語教育能力検定試験の合格率と比較してみます。
▼令和6年度試験の合格率比較▼
試験名 | 合格率 | |
---|---|---|
日本語教育能力検定試験 | 30.9% | |
日本語教員試験 | 試験ルート | 8.7% |
Cルート | 60.8% |
合格率の数字だけを比較すると、検定試験の合格率(30.9%)は「試験ルートより高く、Cルートより低い」と言えます。
しかし、両試験はそもそも合格基準が異なるため、単純比較できないことに注意が必要です。
※両試験の合格基準の違い※
検定試験の合格基準は明確に設定されていないことから、合格率だけを比較しても、実質的な違いは明らかになりません。
性質が似ている日本語教員試験と日本語教育能力検定試験ですが、合格率の比較については、あまり参考にしないほうがよいでしょう。
ただし、試験対策をするうえで、問題の中身を比較することは非常に重要です。



私は実際に2つの試験を受験してみて、ベースとなる知識は共通していましたし、問題の質はどちらも高かった印象があります。
両試験は出題範囲が全く同じで、測定しようとする内容も似通っています。
検定試験については、合格率を比較するというよりかは、試験勉強の検討材料として活用するのがおすすめです。
【他資格と比較】日本語教員試験の合格率はどのレベル?
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2024年に国家試験として第1回試験が実施された日本語教員試験。
実際の合格率にはさまざまな見方がありますが、他の国家試験と比べてどうだったのでしょうか。
合格率に着目して他試験と比較し、日本語教員試験の国家試験としての立ち位置を分析してみます。
試験ルートの合格率を他試験と比較してみた
令和6年度の試験ルート合格率は8.7%でした。
合格率8.7%とは国家試験のなかでどの程度の位置になるのか、同等の合格率となった国家試験を調べてみました。
- 司法書士:5.3%
- 中小企業診断士:4%
- 社会保険労務士:6.9%
- 弁理士:6%
- 土地家屋調査士:11%
- 行政書士:12.9%
誰もが聞いたことのある格式高い試験名がずらっと並んでいますね。
いわゆる士業と呼ばれる資格や、業務独占資格に分類されるような難関国家資格ばかりです。



私は個人的には、社労士試験が合格率と合格基準が似ていて参考になると思っています。
日本語教員試験がその仲間入りをした(?)と言っていいのかはわかりませんが、
試験ルートに合格するということは、難関国家試験に合格するのと同等レベル
ということは間違いなさそうです。
日本語教員試験は試験構成や合格基準が他試験とは異なるため、合格率だけを比較してもわかることは多くありませんが、試験ルートに挑戦するなら、それなりの覚悟が必要ですね。
応用試験の合格率を他試験と比較してみた
基礎試験の免除要件に該当して応用試験のみを受験した、基礎試験免除者の合格率61%について他試験と比較してみます。
- キャリアコンサルタント試験:56%
※第28回試験における実施2団体の平均
日本語教員試験の基礎試験免除者と同等の資格試験を見つけるのは難しいのが現状です。
そのなかでも、キャリアコンサルタント試験が合格率や難易度の観点から同等資格なのではないかと考えられます。
キャリアコンサルタントは、キャリアに関する相談業務を主な業務とする、キャリアカウンセリングの専門家です。
国家資格としては、登録日本語教員と同様に、名称独占資格に分類され、キャリア形成の専門資格者として、社会的に認知されつつあります。
試験自体のレベルは難関とまでは言えませんが、日本語教員試験のCルートや養成機関ルートと同様に、養成講座を経る必要があるため、取得までのハードルが比較的高い資格と言われています。
日本語教員試験でも、養成課程を修了しているにもかかわらず、61%しか合格できない現状を考えると、決して簡単な試験とはいえないでしょう。
日本語教員試験の合格率は今後どうなる?
日本語教員試験の合格率は今後どうなっていくのでしょうか。
第1回試験が実施されたものの、実績が少ないため、今後の合格率の推移は不透明です。
しかしながら、国家試験としての性格を保つため、国がいい加減な基準で試験を作成しているとも思えません。
むしろ、2023年に実施した試行試験、他の国家試験の実績などから、綿密に分析して日本語教員試験を設計していると考えたほうがよいでしょう。
とすると、今後の日本語教員試験の合格率は、多少の変動はあるものの、劇的な変化が起こる可能性は低いと考えられます。
日本語教員試験の合格のために必要なこと
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合格率は試験対策のうえでも、とても参考になる数字です。
ただ、合格率はあくまで全体の統計にすぎません。
合格率が高いからといって、自分が簡単に受かる保証はどこにもありません。
逆に、合格ラインを超えさえすれば、いくら合格率が低くても、合格できます。
日本語教員試験はまぎれもなく国家試験であり、並みの勉強では合格できない難しい試験。
合格率を参考材料にしつつ、日々地道に試験勉強に取り組むことで、合格が見えてくるでしょう。
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①2大試験の膨大な出題範囲を完全網羅!
②ポイントを押さえた講義が100時間以上!
③検定試験の過去問(5年分)を徹底解説!
④圧倒的に安い費用でお金の心配も不要!
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