日本語教師の国家資格(登録日本語教員)は、完全な独学で取得することはできません。
この国家資格には、一定の知識と技能を担保するため、自己学習だけでは完結できない仕組みになっているためです。
ただ、複数のルートが用意されており、独学メインで資格取得をめざす方法はあります。
登録日本語教員私は独学メインで国家資格を取得しました。その経験も踏まえて、独学での取得方法をお伝えしたいと思います。
この記事では、日本語教師の国家資格を独学でめざす場合、どのような方法があるのかを紹介。
さらに、独学にかかる費用・期間・難易度の目安まで詳しく解説します。
日本語教師の国家資格(登録日本語教員)は独学で取れる?


日本語教師の国家資格(登録日本語教員)は、完全な独学で取得することはできません。
資格取得の過程で、実践研修(教育実習)の受講が義務付けられているためです。
日本語教師の国家資格には2つの取得ルートがあります。


「養成機関ルート」と「試験ルート」の2つがありますが、いずれも、国家試験(日本語教員試験)合格後に、実践研修(教育実習)を修了する必要があります。
このうち、「試験ルート」は、日本語教員試験と実践研修のみのため、独学で日本語教員試験に挑むことで、独学に近い形で国家資格取得をめざせることになります。
このあとは、「試験ルート」を選択し、独学で国家資格をめざす方法を解説していきます。
日本語教師の国家資格を独学で取得するための方法とは?
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2つの方法のうち、「試験ルート」を選択することで、養成講座を経ないで、日本語教師の国家資格の取得が可能です。
「試験ルート」を選択し、より独学に近い形で国家資格をめざす場合、全体の流れは、次のようになります。
市販の参考書・問題集を使い、独学で日本語教員試験の学習を進めます。過去問は非公表で、広い出題範囲を意識した継続的な学習が必要です。
基礎試験・応用試験の両方に合格する必要があります。基礎試験の難易度が高く、独学ではここが大きな壁になります。試験は年1回です。
研修機関が実施する実践研修を受講し、実践場面を想定した教案作成や模擬授業などを行います。これを独学で代替することはできません。
必要書類を提出し、登録手数料を支払って、国家資格の申請を行います。審査を経て、登録完了後、国家資格者(登録日本語教員)となります。
最初から最後まで完全に独学で国家資格を取得することはできませんが、この流れであれば、独学を主体として、めざすことは可能です。



私もこの流れで国家資格を取得できましたし、学習環境さえあれば、めざすことは十分可能だと思います。
ここまで、実践研修を除けば、独学でめざせる方法を解説してきましたが、
実践研修とは一体どういったものなのでしょうか
このあとは、独学であっても、資格取得のためには必ず通らなければならない、実践研修の内容について、解説していきます。
日本語教師の国家資格を取得するための実践研修とは?


日本語教師の国家資格を取得するには、日本語教員試験合格後に、実践研修(教育実習)を修了することが必須となっています。
実践研修は、合計45単位時間(1単位45分)。
- 授業見学
- 授業準備
- 模擬授業
- 教壇実習
- 振り返り
などを通して、日本語教師として最低限必要な実践力を確認するための研修です。
1人につき最低2回の教壇実習(各45分)が義務付けられており、実際に学習者の前で授業を行います。
実践研修は主に、養成講座を実施するスクールで行われ、期間としては2〜6か月程度が一般的です。



実践研修の時期は選べますが、私は合格後すぐに参加しました。独学で黙々と勉強するのとは違い、いろいろな学びがあり、刺激を受けましたね。
日本語教師の国家資格が完全な独学では取得できない理由は、この実践研修が必須とされているためです。
ここまで、日本語教師資格を取得する方法を中心にご紹介してきましたが、独学主体とした場合、
- どのくらいの費用・時間がかかるのでしょうか
- 独学主体の資格取得の難易度はどの程度なのでしょうか
具体的に、独学での資格取得に向けて動き出すにあたり、気になる費用面、取得までの期間、難易度について、このあと解説していきます。
日本語教師の国家資格を独学で取得するのにかかる費用は?


独学に近い形で国家資格を目指す場合でも、一定の費用はかかります。
ただ、「養成機関ルート」では、養成講座だけでも50〜70万円程度の費用がかかるため、それと比較すると、全体の出費は大きく抑えられます。
独学で国家資格を取得する場合の、おおまかな費用は次のとおりです。
▼独学の国家資格取得費用(参考)▼
| 参考書 | 1〜3万円程度 |
|---|---|
| 受験料(日本語教員試験) | 18,900円 |
| 受講料(実践研修) | 10〜20万円程度 |
| 登録手数料 | 4,400円 |
| 合計 | 13〜26万円程度 |
「試験ルート」でも、試験対策講座を利用するとさらに費用がかかりますが、独学で日本語教員試験に合格できれば、上記のような出費に抑えることが可能です。
それでも、実践研修の費用がかかるため、ある程度の出費は覚悟する必要があります。
幅がありますが、最低でも20万円前後は見ておいたほうがよいでしょう。
日本語教師の国家資格を独学で取得するのにかかる期間は?


独学に近い形で国家資格を目指す場合、どのくらいの期間がかかるのでしょうか?
日本語教員試験に1回で合格した場合を前提に、試験対策から資格登録までにかかる期間の目安を整理ししてみました。
▼資格取得までの期間の目安(独学の場合)▼
| 日本語教員試験対策 | 6か月〜1年程度 |
|---|---|
| 実践研修(教育実習) | 3か月〜6か月程度 |
| 資格申請・登録 | 1〜2か月程度 |
| 合計 | 10か月〜 |
あくまで目安ですが、順調に進んだ場合でも、最短でも1年程度はかかると考えておいたほうがよいでしょう。
また、試験対策にかける期間によって、全体の期間は大きく変わります。
万が一、日本語教員試験に不合格となった場合は、次回試験まで1年先延ばしになる点にも注意が必要です。
このように、日本語教師の国家資格は、養成講座を経ない場合でも、一定の時間を要する資格であることは理解しておく必要があります。
日本語教師の国家資格を独学で取得する難易度は?
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日本語教師の国家資格を取得するために、独学の場合、どの程度の難易度になのでしょうか。
一概には言えませんが、トータルで見ると、難しい部類に入るといえます。
最大のハードルとなるのが、日本語教員試験です。
試験ルートでの合格率は以下のとおりです。
- 令和6年度: 8.7%
- 令和7年度:35.9%
試験の実施回数が少なく、合格率は安定していませんが、半数以上の受験生が不合格であり、これを独学で合格するのは、簡単ではありません。



基礎試験の合格率が厳しく、私も対策には苦労しました。特に、出題範囲を自分だけで網羅するのは、相当大変でしたね。
さらに、資格取得までには、数十万円の費用がかかるうえ、最低でも1年かかり、教育実習も必要です。
以上のことを考えると、日本語教師の国家資格を独学で取得するには、一定の覚悟と努力が必要です。
日本語教師の国家資格を独学で取得するメリット・デメリットとは?


ここまで、独学に近い形で国家資格をめざす方法について、費用・期間・難易度といった観点で見てきました。
これらを踏まえると、独学という選択肢には明確なメリットがある一方で、条件次第ではデメリットが大きくなることも分かります。
独学で国家資格を目指す場合のメリット・デメリットを改めてまとめてみました。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 学習法 | 自分のペースで学習できる | 自己管理が必要 |
| 費用 | 講座費用がかからない | 参考書の買いすぎに注意 |
| 時間 | 講座受講にかかる時間がない | 豊富な勉強時間の確保が必要 |
| 難易度 | 試験対策に集中できる | 基礎試験の難易度が高い |
このように、各項目において、独学にはメリットもデメリットもあることがわかります。
メリット・デメリットの大きさは、捉え方にとっても変わりますが、環境的な側面もかなり影響します。
自分の状況と照らし合わせて、独学という選択が本当に自分に合っているのかどうかを、改めて考える材料になればと思います。
独学以外の選択肢はある?|比較してみた
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日本語教員試験を独学で合格し、国家資格を取得することは可能ですが、決して簡単ではないのは事実です。
費用や時間がかかること、試験合格が前提になる点などを考えると、
独学以外の選択肢も視野に入れて検討したい
と感じる方もいるでしょう。



私のときは、第1回試験だったので、選択肢はそれほどありませんでしたが、最近は参考書や講座の種類も増えて、選択のバリエーションが出てきました。
そこで、ここでは、独学以外で国家資格をめざす場合の選択肢をご紹介していきます。
独学以外の選択肢は、次の2つです。
- 試験対策講座を活用して「試験ルート」で挑戦する
- 養成講座を受講して「養成機関ルート」でめざす
試験対策講座を活用して「試験ルート」で挑戦する
独学での勉強に加えて、日本語教員試験の対策講座を活用する方法です。
広い出題範囲を、ポイントを押さえながら効率的にカバーできるのが最大のメリット。
eラーニング形式の講座が多く、仕事や家事と両立できるのも特徴です。
費用の目安は、10〜20万円程度。
養成講座ほど高額ではないため、日本語教員試験の突破を重視するのであれば、まず考えてみたい選択肢です。
養成講座を受講して「養成機関ルート」でめざす
もうひとつの選択肢が、日本語教師養成講座を受講し、養成機関ルートで資格取得をめざす方法です。
養成講座修了生は基礎試験が免除され、比較的合格率の高い応用試験のみの受験のため、資格取得の確実性が高まります。
また、知識だけでなく実践的な指導スキルも身につくため、就職後の自信につながる点もメリットです。
費用の目安は、50〜70万円程度。
教育訓練給付金やリスキリング支援制度など、負担が軽減できる方法もあります。
費用面が心配な場合は一度スクールに相談してみてもいいかもしれません。
独学?対策講座?養成講座?|比較してみた
ここまで見てきた内容を踏まえて、独学・独学以外の選択肢を比較すると、次のようになります。
| 試験ルート (独学) | 試験ルート (対策講座) | 養成機関 ルート | |
|---|---|---|---|
| 試験対策 | 自己管理 必要 | 効率的 網羅的 | 基礎試験 免除 |
| 費用 (目安) | 20万円 前後 | 30万円 前後 | 80万円 前後 |
| 期間 (目安) | 1年以上 | 1年以上 | 1年以上 |
| 確実性 |
トータルコストの面では独学が非常に優位です。
対策講座を受講して、試験ルートで挑戦するパターンは、勉強の不安は軽減されますが、基礎試験のハードルは高いため、確実性の保証はありません。
養成機関ルートは費用がかかる分、資格取得の確実性が増します。



どれも一長一短があります。生活スタイルや経済的な状況などによって、重視すべき項目が異なります。
独学のメリットは大きいですが、状況や必要に応じて、他の選択肢も検討してみるとよいでしょう。
「登録日本語教員」以外に独学で取れる日本語教師資格はある?


日本語教師の国家資格(登録日本語教員)は、認定日本語教育機関で働くための必須要件です。
一方で、ボランティアや地域日本語教室、オンライン日本語教師として活動する場合、必ずしも国家資格が求められるわけではありません。
こうした場合に、完全に独学で取得でき、日本語教師としての知識・スキルの客観的な証明となる資格が、
日本語教育能力検定試験
です。
日本語教育能力検定試験は、長年の実績があり、現在でも応募資格や評価基準として活用されているケースがあります。
国家資格以外の形で、日本語教師としてのスキルを証明したい場合は、日本語教育能力検定試験を独学でめざすことも、ひとつの選択肢として考えてみてもいいかもしれません。
日本語教師の国家資格をめざそう!
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日本語教師の国家資格は、完全な独学で取得することはできませんが、独学を主体とした方法を選ぶことは可能です。
この記事では、独学を中心とした方法に加え、別の選択肢についても取り上げてみました。
どの選択肢も決してラクな手段ではなく、国家資格取得は簡単ではありません。
それでも、自分に合った方法を選び、日々取り組んでいけば、資格取得は十分可能です。
日本語教師の国家資格をめざして、次の一歩を踏み出しましょう!












