日本語教員試験の「基礎試験」とは、どのような試験なのでしょうか。
登録日本語教員の国家資格を取得するためには、日本語教員試験に合格する必要がありますが、試験は「基礎試験」と「応用試験」に分かれており、それぞれ性質が異なります。
とくに基礎試験は、「基礎」という名称から易しそうな印象を持たれがちですが、実際には出題範囲が広く、合格基準も高めに設定されています。
この記事では、日本語教員試験の基礎試験について、出題内容や合格基準、応用試験との違いまでわかりやすく解説します。
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日本語教員試験の基礎試験とは?

日本語教師の国家資格「登録日本語教員」を取得するには、国家試験である日本語教員試験を受験する必要があります。
日本語教員試験は、「基礎試験」と「応用試験」に分かれており、選択するルート形式により、受験する試験が異なります。
基礎試験は、養成課程を経ずに資格取得を目指せる「試験ルート」方式で必須の試験です。
基礎試験は、日本語教育に関する基礎的な知識・技能を計る目的で実施。
試験問題は、日本語教育に関する幅広いテーマから満遍なく出題されます。
出題のメインは、文法・語彙などの言語に関する知識と教授法・評価法などの教育学に関する知識。
このほか、日本語の歴史、日本語教育の社会的背景、文化コミュニケーション、言語学習上の心理的側面など、50項目に及びます。
50項目は大きく5つの区分に分類され、それぞれの区分から一定の割合で出題。
区分ごとの合格基準も設定されているため、穴のない学習が必要です。
基礎試験は、登録日本語教員の国家資格取得を目指すうえで、最初に立ちはだかる試験といえます。
基礎試験は、試験ルートで最大の壁であり、応用試験対策の土台となる重要な試験です。
試験ルートの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
日本語教員試験|基礎試験の出題内容と形式

基礎試験は、試験ルートで受験する場合に必須の試験です。
特に受験資格はなく、試験当日の午前中に行われます。
ここでは、基礎試験がどのような試験なのかについて、試験の構成を見ていきます。
出題範囲・内容
日本語教員試験の出題範囲は、「登録日本語教員 実践研修・養成課程コアカリキュラム」の養成課程カリキュラムにある「必須の教育内容」とされています。
この出題範囲は、基礎試験・応用試験共通です。
基礎試験では、この出題範囲のなかから、基礎的な知識・技能を測るための問題が出題。
範囲は5つの区分に分けれられ、各区分から一定割合の問題が出題される構成になっています。
基礎試験で設定されている5つの区分と出題割合は以下のとおりです。
| 区分 | 出題割合 |
|---|---|
| 区分1:社会・文化・地域 | 約1〜2割 |
| 区分2:言語と社会 | 約1割 |
| 区分3:言語と心理 | 約1割 |
| 区分4:言語と教育(教育実習以外) | 約3〜4割 |
| 区分5:言語 | 約3割 |
出題形式・問題数
基礎試験の問題形式は、全問マーク式の選択問題です。
問題数は全部で100問、試験時間は120分。
記述式問題はなく、4つの選択肢のなかから正解肢を1つ選ぶ問題が中心です。
出題の素材となる問題文があり、それに関連して知識を問う設問が5問、というのが典型的な大問の構成。
1つの大問に対して特定の区分に属する設問が含まれる形で、複数の区分が混ざって出題されることはあまりありません。
試験時間から考えると、1問にかけられる時間は、1分程度が目安です。
- 試験時間:120分
- 出題数:100問
- 出題形式:選択式(マークシート)
- 配点:1問1点(100点満点)
合格基準
基礎試験の合格基準は以下のとおりです。
- 各区分で6割程度
- 総合得点で8割程度
上記2つのいずれも満たすことで、基礎試験を合格することができます。
基礎試験には5つの区分があるため、総合点と合わせて、6つの基準が設定されていることになります
これらの基準を同時に満たす必要があるため、対策に偏りがあると不利になりやすい試験といえます。
なお、基準点は、年度ごとの難易度によって、調整が行われることもあるようですが、過去に調整が行われたことはありません。
過去に行われた基礎試験における、区分ごとの出題数と基準点は以下のとおりです。
▼過去の基礎試験の合格基準点と出題数▼
| 令和7年度 | 令和6年度 | |
|---|---|---|
| 【区分1】 社会・文化・地域 | 7点 / 12問 | 10点 / 18問 |
| 【区分2】 言語と社会 | 7点 / 12問 | 8点 / 14問 |
| 【区分3】 言語と心理 | 7点 / 12問 | 7点 / 13問 |
| 【区分4】 言語と教育 | 20点 / 34問 | 16点 / 27問 |
| 【区分5】 言語 | 18点 / 30問 | 16点 / 28問 |
| 【総合点】 | 80点 / 100問 | 7点 / 12問 |
基礎試験と応用試験の違いとは?
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基礎試験とはどんな試験なのかを理解するうえで、応用試験の違いについても把握しておくが重要です。
基礎試験と応用試験は、似て非なる試験ですが、全く別というわけでもありません。
2つの試験は、出題範囲は同じですが、異なった性格を持っています。
これらの違いを把握するは、試験対策をしていくうえでも、非常に重要です。
試験の性質の違い
基礎試験と応用試験は、試験の性質上の違いがあります。
それぞれの試験が測る能力は、以下のように定められています。
- 基礎試験:日本語教師としての基礎的な知識・技能
- 応用試験:知識・技能を活用した問題解決能力
つまり、日本語教師が持つべき知識・技能が基礎試験で問われるのに対し、実践場面で知識・技能を活用できるのかを応用試験では問われます。
このため、基礎試験では主に、理論そのものの意義・目的を問う問題が出題される傾向にあります。
こうした問題は、抽象的になりやすく、問題によっては解きにくく感じることもあるため、試験対策では、抽象的な理論・用語をいかに日本語教育に関連づけて、具体的に理解するかが重要です。
合格基準・合格率の違い
次に、両試験の違いを数字から見ていくことにします。
過去実施された試験における、合格基準と合格率の実績を比較しました。
▼基礎試験・応用試験の合格基準と過去の合格率▼
| 合格基準 | 合格率 | |
|---|---|---|
| 基礎試験 | 各区分6割程度+ 総合得点8割程度 | (R6) 8.8% (R7)37.0% |
| 応用試験 | 総合得点6割程度 | (R6)60.8% (R7)70.2% |
※基礎試験は試験ルート、応用試験はCルートにおける実績値
両試験における、合格基準と合格率の関係性を見てみると、合格基準の高さがそのまま合格率の数字に表れているように見えます。
基礎試験は、とりわけ合格率の低さが目立ちますが、これは合格基準の高さが大きな要因ではないかと推測できます。
ただ、受験資格が不要な基礎試験は、受験生の多くが初学者だと想定されるため、これも基礎試験の合格率が低い一因であるとも考えられます。
このことから、一概に、「基礎試験は難しく、応用試験は易しい」と決めつけることは避けたほうがよいと思われます。
合格率について気になる方は、以下の記事で詳しく分析していますので、こちらもお読みください。
「基礎」という言葉に惑わされない
基礎試験は、試験の名称からして、易しそうな印象を持ちたくなりますが、実態はそうではありません。
むしろ、試験ルートでは、基礎試験の突破が最大のハードルになるといってもいいでしょう。
それは、試験対策における、応用試験との違いにも表れます。
基礎試験に独特な要注意ポイントは以下の3点です。
- ヤマを張る勉強ができない
- 取りこぼしが許されない
- マイナーテーマにも要注意
出題範囲は共通ですが、基礎試験は、応用試験と異なり、各区分ごとの基準をクリアする必要があります。
このため、ヤマを張る勉強は非常にリスクが高く、全範囲を網羅的に学習する必要があります。
さらに、総合で8割以上の得点が要求されるため、取りこぼしが許されません。
基礎試験と応用試験はどっちが難しい?
ここまでを踏まえると、
- 基礎試験は「知識量を問う試験」
- 応用試験は「知識の活用力を問う試験」
と整理することができます。
応用試験は問題自体は取り組みにくいと感じる場合がありますが、合格基準は総合6割程度と、必要な得点は比較的明確です。
一方で基礎試験は、総合8割程度に加えて各区分の基準も満たす必要があり、出題範囲も広いため、取りこぼしが許されない性質を持っています。
どちらが単純に「難しい」と断言することはできませんが、試験の性質が異なることを理解したうえで対策を立てることが重要です。
そのため、試験全体を見据えた計画的な対策が求められます。
基礎試験の難易度と対策のポイント
基礎試験は出題範囲が広く、総合8割に加えて各区分の基準も満たす必要があるため、対策には計画性が求められます。
難易度としては、問題そのものが極端に難解というよりも、「取りこぼしが許されない構造」による厳しさが特徴です。
そのため、出題範囲を体系的に整理し、過去問を通じて弱点を早めに把握することが重要になります。
基礎試験の具体的な難易度や勉強方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
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以上、日本語教員試験の基礎試験について、試験内容から応用試験の違いまで、解説してきました。
試験対策を行なっていくうえで、試験の性質を理解・把握することは非常に重要です。
また、出題範囲は同じでも、基礎試験と応用試験には違いがあります。
基礎試験は「知識の網羅性を問う試験」であるのに対し、応用試験は「知識の活用力を問う試験」であるといえます。
基礎試験は、試験の性質上、取りこぼしが許されないため、「基礎」という名称に惑わされず、全体像を意識した入念な対策が必要です。
こうしたことを踏まえ、試験全体を見据えた計画的な対策を進めることが、合格への近道となるでしょう。
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